相性占い(クータ・ミラン)の仕組み
インド占星術の相性判定は「アシュタクータ」と呼ばれ、八つの観点から合計三十六点で評価します。アシュタは八、クータは項目という意味です。北インドで結婚前の判断材料として広く用いられてきた方式で、日本では「グナ・ミラン」「三十六点法」と紹介されることもあります。
八つの項目は、配点の小さい順に、ヴァルナ(一点)、ヴァシャ(二点)、ターラ(三点)、ヨーニ(四点)、グラハ・マイトリ(五点)、ガナ(六点)、バクート(七点)、ナーディ(八点)です。配点が大きいほど古典的に重視される項目で、合計三十六点のうち二十四点近くをバクートとナーディが占めていることからも、この二つが特別扱いされているのが分かります。
重要な点として、これら八項目はすべて二人の「月の位置」だけから計算されます。月の星座(ラーシ)と月宿(ナクシャトラ)が分かれば、残りは古典的な対応表に従って機械的に定まります。当ページが出生時刻を求めるのは、月宿の判定に必要だからです。
各項目が見ているもの
ヴァルナは気質の階層、ヴァシャは主導権の傾き、ターラは互いの月宿の距離から見た吉凶、ヨーニは身体的・本能的な相性を動物の象徴で表したものです。グラハ・マイトリは双方の月の星座の支配星どうしが友好か中立か敵対かを見ます。ガナは神・人・羅刹という三つの気質分類、バクートは月星座の位置関係、ナーディは体質を三分類したものです。
古典的に特に重視されるのがバクートとナーディです。バクートは、二人の月星座が六と八、五と九、二と十二の関係にある場合を「バクート・ドーシャ」として零点とします。ナーディは、二人が同じナーディに属する場合を零点とします。この二つのいずれかが零点になると、合計点が高くても注意が必要とされてきました。
当ページでは合計点だけでなく八項目それぞれの内訳を表示しています。これは意図的な設計です。二十四点という同じ合計でも、ヨーニで失点しているのか、ナーディで失点しているのかでは意味がまったく異なります。合計点のみを示すことは、実際には存在しない精度を装うことになります。
点数をどう受け取るべきか
一般には十八点以上で「適合」とされることが多いのですが、この基準を額面どおり受け取るべきではありません。アシュタクータは二人の月の配置のみを見る方式であり、ラグナ、七室(結婚を司る室)とその支配星、金星と火星の状態、そして双方が現在どのダシャー期間にあるかを一切考慮していないからです。
実務上は、点数が低くても問題なく続く関係も、点数が高くても難しい時期を迎える関係もあります。古典にも、バクート・ドーシャが他の配置によって相殺される(キャンセルされる)とする規定が複数あり、点数を単独で結論に用いることは想定されていません。相性の判断は、二つのチャート全体を突き合わせて初めて意味を持ちます。
この点数を、関係を続けるかどうかの判断材料として単独で用いることは、私たちとしてはお勧めしません。むしろ、二人のあいだで何が起きやすいかを言語化するための出発点として使っていただくのが、この道具の本来の使い方だと考えています。
- 点数は二人の月の配置のみから算出され、ラグナや七室を含みません
- バクートとナーディの零点は、合計点より重く扱われてきました
- 古典にはドーシャが相殺される規定が複数あり、機械的判定には限界があります